遺留分って何?

1.遺留分制度とは

 遺留分とは「最低限の相続分」という言い方がなされる通り、法定相続人に保障された最低限の相続財産の受け取り分のことです。

 被相続人(相続財産の持ち主)は、自らの相続財産をいかようにも処分できます。例えば、相続財産の一切合切を複数いる法定相続人のうちのだれか一人にだけ相続させることも、遺言書を使えばできるわけです。しかしこうなると、長年被相続人と同居して被相続人を支えてきた家族でも相続財産が一切もらえず、長年被相続人と別居している放蕩息子が全財産を得る、なんてことも起こり得るわけです。そこで、このような法定相続人間の不公平を解消するため、あるいは相続人が持っている潜在的な持分権に対する正当な期待を裏切らないようにするため、法律は一定の法定相続人に対して「最低の相続分」を請求する権利を与えたのでした。これが遺留分制度のあらましです。

 遺留分はこのように、自らの財産を処分するための被相続人の自己決定権を否定する権利ですから、非常に強い権利と言っていいと思います。従って法律もすべての法定相続人に遺留分を認めているるわけではありません。遺留分の権利を持つ相続人は、配偶者、子、直系尊属(両親・祖父母等)に限られます。従って被相続人の兄弟姉妹には遺留分が認められていません。

 2018年に世間をにぎわせた「紀州のドンファン事件」では、被相続人である野崎幸助氏がその全財産を田辺市に遺贈するという遺言書が見つかったと報じられています。故野崎氏にはお子さんがいませんので、氏の法定相続人は配偶者である奥様と氏のご兄弟ということになりますが、もしその情報が正しければ、奥様には遺留分を請求する権利がありご兄弟にはそれがない、ということになります。

2.遺留分の計算

 遺留分の割合は、直系尊属のみが相続人となるときは相続財産の3分の1その他の場合は権利者全員の合計が相続財産の2分の1と決められています。仮に相続財産が1億2千万円だとすると、相続人が被相続人の父親だけの場合、父親の遺留分は1億2千万円の3分の1の4千万円ということになります。相続人が配偶者と子供2人の場合、配偶者と子供2人の遺留分の合計は1億2千万円の2分の1の6千万円となり、それを法定相続分通り配偶者3千万円、子供1人あたり1千500万円というように分配するわけです。ただし遺留分の計算のおおもとになる相続財産の計算の仕方は、特別受益や過去の贈与の評価といった複雑な問題が絡むため簡単ではありません。実際に計算する場合は弁護士に依頼することをおすすめします。

3.遺留分減殺(げんさい)請求権

 遺留分の権利は、行使しなければ有効になりません。遺留分が侵害されたとき「最低の相続分」を取り戻すためには、家庭裁判所に対し遺留分を返せという訴訟を起こす必要があります。この訴訟を起こす権利を遺留分減殺請求権といいます。遺留分減殺請求権は1年で消滅時効にかかるため、遺留分権利者である相続人が相続の開始及び遺留分侵害の事実を知った時から1年間請求権を行使しないとこの請求権は消滅してしまうことになります(相続開始の時から10年を経過したときにも同様です)。

 弊所では遺言書作成の際、できるだけ法定相続人の遺留分を侵害しないようなサポートをしておりますが、どうしても遺留分を侵害せざるを得ないような遺言書を作成したいというお客様に対しては、万一訴訟に発展した場合の対策等を含めて提携する弁護士と準備を進めてまいりますので、ご相談ください。

 

 

 

 

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